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笑ってはいけない♪ ベルギーのTV番組"ブーメラン"の悲劇



笑ってはいけない時に笑ってしまって、成功を棒に振ってしまった男性の何とも気の毒な話である。

医療ミスで声帯に障害を負った出演者の声に、笑いが止まらなくなった司会者の態度は、まったくもって、常識外れであるが、「不謹慎な!」と言う言葉だけでは片づけられない、人間感情の不安定さ、コントロールの難しさを物語っている。状況が深刻であったり、厳かな雰囲気であればある程、一旦不可思議な笑いのツボにハマってしまうと、そこから抜け出せなくなる経験は誰にでもおありだろう。

その昔、職場の同僚のお父上が他界され、通夜に一緒に参列した仲間は、父を失った同僚の気持ちを思い、身体を震わせ泣いていた。ところがしばらくすると、彼女は「ヒヒヒ」と、鳴き声と違う声を出し始めた。「ヒヒヒヒヒ・・・・」。「どうしたの?正座で痺れがキレタ?」と、小声でたずねると、肩を震わせ、ある一点を指差すのだ。指先をたどると、前の紳士の黒い靴下にぽっかり穴が開いているのが見えた。わたしにはさほど面白くもないのだが、笑いのツボにハマった彼女は苦しみ悶えて笑いを押し殺している。泣き笑いにメイクはくちゃくちゃ、とうとう声が抑えきれなくなり、周りの人たちに挙動不審を察知されたので、彼女を連れて外へ出た。笑いが収まってから戻ろうとするが、参列しようとすると笑いが再開する。結局、早々に引き揚げることになってしまった。彼女によると、笑っているというよりも横隔膜の痙攣が止まらず、場に反した表現の露出に拷問にあっているようだったというのだ。

医療ミスの被害者である出演者は、司会者の心ない「笑い」によって深く傷つけられる。ご自分の変化した声によって、普段の生活で何度となく笑われる事はあっても、カメラが回っている生放送の場では、決してそういう事がない筈で、心置きなく医療ミスの実態を報告できるはずであっただろう。不本意にも他人によって傷つけられた我が身を、司会者とオーディエンス達によって、共感してもらい、加害者を糾弾する場であったはずの被害者のお二人は、悲しみと怒りに震えただろう。

オーディエンスの多くは不快感をあらわにした。良心的な人がいかに世の中には多いかと言う事が分かる。この司会者の失態の最大の原因は、心底相手の身になる習慣が、忙しさや自分の成功の大きさにかき消されてしまった事だろう。

人を公然と侮辱する形となった司会者は、テレビ業界から完全に干されてしまう。
幸福の象徴である「笑い」も使い方によっては、人を傷つけ、自らを貶める凶器となるわけだ。
気をつけようっと。
by kaori40712007 | 2013-05-04 16:13 | 社会 | Comments(0)
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楽しい日々♪


by マダムSadayacco
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