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美文字と色気♪

達筆な人は、色を好む傾向がある。紫式部がその代表かな。四、五歳児でも人目を引く色っぽい子はいるわけで、そんな子は筆を待ち始めたら、俄然才を発するのだ。見る人をハッとさせるような力強い作品を生み出す。達筆な男の子と女の子同士が示し合わせて、一緒に帰って行く可愛らしい様子をよく見かける。中には、「センセだけに教えてあげる。僕ら好き同士で付き合ってる。」と、頬を染めて教えてくれる小1の子もいてなんとも羨ましい、いや、微笑ましい。

毛筆習字は、線の太い細い、筆圧の強弱、墨のかすれ具合に、運筆の速度、文字間のバランスなどを瞬時に判断しながら造形する行為。色気がなければ、人を感動させる文字はかけない。ダンスや歌とも通じるものがある。

子供教室の前、お昼時に大人書道教室があり、そこに集うのは品良くはんなりとした色香を漂わせた素敵な女性達、いい空間に身を置けて嬉しいかぎり。共に研鑽を積み、日本の書道を次代に引き継ぐべく努力をする仲間ができた。

文字を書くと言う行為は、非常に繊細で、その時々の心模様が如実に線に現れる。ここしばらく、身辺に大変なことが起こってしまって、思うように製作できなかった。どれもこれも上っ面な脆弱な線、墨の色さえも冴えない始末。自信を失ってパサパサに乾いた自分の心のように、魅力のない作品ばかりが残った。

そんな時、書家でもあらせられる、娘の高校の校長先生と、一献傾けるチャンスに恵まれた。いつも素晴らしく豪快で粋な字を書かれる先生。たくさんの書に囲まれても、先生の字は先生のものだとすぐわかる。

「書道と言うのは、美しい文字を書くだけでなく、今まで生きてきた愁い、悲しみを線にのせて行く行為でもあるのですよ」と、教えて下さった。そうか、今現在どうのこうのという狭いスタンスで書くからショボい字になるのだ。私の全部を文字にのせればいいのだな。

憂い悲しみを共鳴させながら溶け合って行く男女のように、自分の内面を、筆と墨と紙に溶け込ませていくのが書道なのだ。

可愛い子供達の手をとりながら、仕事を楽しんでいる。文字の基本的な形を体得させながら、2人の人間の情を、線に乗せて行くのは何とも面白い。書き終わった後小学1年の公平君は私の手の甲にチュッとキスをした。色気ある書家の誕生だわ。



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5月の課題「乙瑛碑」臨書



by kaori40712007 | 2015-04-29 10:11 | 書道 | Comments(4)
Commented at 2015-05-05 01:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kaori40712007 at 2015-05-05 07:53
色気というのは、アンバランスから生じるものかなと思うのです。平均的な、特に特徴のない容姿や性格は人目を引かない、魅せられないのだと。すごく何か一つのことに繊細で敏感だとか、世間一般の中では不器用で、繊細すぎて反りが合わないことが多いとか、そんな人に色気のある人が多いように思います。たまらなく魅力的な人というのは同じだけたまらなく嫌な面もあるものです。普段から注目されているので、全く自己顕示欲を感じないのも、さらに魅力に拍車がかかって、異性をぐうっと惹きつけるのでしょう。小学生の頃から付き合っている相手がいる人達は、一生モテ人間、ずっと筆も離さないような気がします。女性の場合は、アイラインを恐ろしく上手く扱えるようにもなります。男性の場合は、筆を扱う繊細さで女性を愛せば女性は絶対彼から離れないでしょう、笑。
Commented by ふうげつ at 2015-05-07 21:28 x
こんにちは
思い出しました。会社役員にお仕えしてました。
時はバブル景気。役員は接待されたり、したりの毎日。こちらも交際伝票をどれだけ切ったことか。そのころ、とある料亭の女将から役員宛てお葉書が。親展以外は秘書は中を確認してお渡ししていましたので、拝読しましたが、たいへん達筆で色気のある行書でした。川の流れような品のある文字。行書が解読出来ない箇所もあったように思います。季節のご挨拶に始まり『お目もじ叶わず寂しゅう存じ万済のでお誘申し上げました。』とありました。女将は御年はわかりませんが、20代前半の小娘は、着物の襟を抜いて、小股の切れ上がった姉さんを想像し、粋と色気と教養に酔いました。いま私が男で妾を囲う器量があるならこういう女性かな。いやいや無理です。完敗です。文字だけで色香を漂わせることができる、つまりプロ中のプロなんですね。
Commented by kaori40712007 at 2015-05-08 00:47
こんばんは!
バブル最盛期、東も西も繁華街は大賑わいでしたね。女将さん達も大変忙しかった。そんな粋で妖艶な女将さんに、私もお会いして見たいです。京都祗園の花街の女将は、手紙をプロの代筆屋に頼んでおられましたね。あまりに件数が多く、さりとて印刷やコピーでは愛想がない。あまり色気のある人ではなかったので、字が下手くそだったのかもしれませんね、今にして思えば。男性も達筆な人は大抵繊細でセクシーです、笑。
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楽しい日々♪


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